大会雑感

最小勝数での優勝

 先日の東北六県ジュニア大会小学生の部で選抜チームが4勝1敗、8点で優勝しました。
うまく星が噛み合ったんだなあぐらいに思ってましたが、
奈良岡さんから指摘されて確かに8点での優勝は稀なことに気づきました。
恐らく7点での優勝はないでしょうから8点が最小になると思います。
そこで本家の東北六県大会で8点での優勝はあったのか調べてみました。

第3回 昭和34年 宮城県 3勝2敗 8点 (大将3,副将2,先鋒3)

私が調べた限りでは70回近い大会の中で1回だけありました。
個人の成績がイコール団体の成績にならないこともありえるのが
団体戦の面白い点かと思います。

7点での優勝はありえないのか調べてみたところ、可能性としてはありでした。
以下は一例です。
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団体戦

全国的に大規模な将棋の団体戦といえば日本将棋連盟が
主催する職域団体対抗将棋大会「職団戦」と
東京アマチュア将棋連盟が主催する社会人団体リーグ戦「社団戦」があります。
どちらも東京で開催されており、クラス分けがあり成績により昇降級があります。

職団戦は5人制で職場毎のチーム編成です。
毎年春・秋に開催される2000人規模の大会です。
社団戦は7人制で任意の愛好団体によるチーム編成で、
自由度が高いです。毎年6月から10月かけて
延べ4日間で各リーグ15回戦が行われます。
1部から7部まであり合計200チームおよそ1400人規模の大会です。
どちらも私にとっては縁のない大会ですが
一度は見学でもいいので行ってみたいと思ってます。

11月4日(祝)、職団戦にて木村孝太郎さんが
所属するリコーチームがS級で優勝しました。
おめでとうございます。決勝の大将戦がYoutubeで観ることができます。

11月10日、北海道で大きな団体戦「佐々木治夫杯」が行われます。
5人制で40チームが1クラスで戦います。
そこに本県から2チーム参加するようです。
どのような活躍をするのか楽しみです。

11月24日(日)は八戸で団体戦があります。
現在22チームのエントリーをいただいております。
最終的に30チームぐらいになるのではと予想しています。
1人足りないとか1人余ったとか困り事がありましたら、
できる範囲で調整しますので八戸支部までご連絡ください。

11月初旬、東北地区の大学将棋秋季団体戦にて山形大学が優勝しました。
全国大会でも頑張ってほしいと思います。


ねんりんピック

ねんりんピックは面白そうな大会ですが、どのような大会かこれまでよく分かりませんでした。
基本的に60歳以上が対象の3人制の団体戦で県もしくは政令指定都市単位でチームを編成しています。
今年は将棋よろず屋の徒然日誌茨城県の小川さん(優勝おめでとうございます!)の
X(ツイッター)で詳細にレポートしてもらってます。大変ありがとうございます。

今年は61チームが参加。183人参加の全国大会は壮観ですね。
予選は4チームの総当たりで1チームが勝ち抜け。
決勝はトーナメント方式。敗退チームは個人戦へ(素晴らしいアイデア)
1日目は予選3回戦、2日目は決勝4回戦を行う日程です。
結果は茨城県チームの優勝でした。詳細は上記のリンクを御覧ください。

 東北からは岩手県、山形県、仙台市、福島県が参加しています。
ねんりんピックにも参加できればシニア勢のモチベーションアップに
なるのではと思います。

来年以降に開催地は以下のとおりです。2027年の中止はもったない。
2025年 岐阜県 美濃加茂市 10/18(土)-10/20(月)
2026年 埼玉県 蕨市    11/7(土)-11/10(火)
2027年 中止
2028年 東京都

 本県にも有力な選手が揃っているので参加できたら面白いと思います。
問題は費用と日程でしょうか。2泊3日もしくは3泊4日で西日本とかになるといろいろと課題があるように思います。
 毎年参加は無理としても、埼玉県と東京都は参加できるのではないかと考えています。
時間はあるのでいろいろとリサーチしていきたい思います。

県連50周年祝賀会 金浜王将戦

 先週末、青森市にて題記のイベントに参加してきました。
せっかくですので、羽生四冠の写真をアップしておきます。

 乾杯が終わり酒宴に移ると、さすがに羽生先生だけあって、ひっきりなしにツーショット写真をお願いする人の列が途切れませんでした。もちろん私も記念に撮らせていただきました。

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金浜王将戦での指導対局の様子。
午後からは講演会もありました。

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スイス式トーナメントΣエーデルワイス

 先日、北奥羽名人戦でスイス式5回戦をこれまで使っているエクセルのソフトを使って行いました。これはこれで充分なソフトではあるのですが、もともとハンデ戦を主体とした囲碁用のためなのか、対戦の組み合わせを点数の近い者同士・暫定順位の近い者同士を対戦させるため、強い人は強い人と、弱い人は弱い人との対戦が多くなり、結果として対戦相手のレベルにバラツキが出てきてしまいます。
 具体的な例としては初戦に負けた人が順位の低い人との対戦を重ねて最終的に上位に来るという結果が出てきたりします。
 対戦相手の理想的な組み合わせという意味では最終順位が下がるに従い、ソルコフの点数も徐々に少なくなっていくのが理想だと思います。上位に一人だけソルコフの低い人がいることは組み合わせの観点からベストとは言えないと思います。

 ですので、将棋でスイス式をやる場合は、上位と下位の2グループに分けて、その1位同士・2位同士・・・・・を対戦させるというやり方が、一般的であり思想的かと思います。ただ、それに対応した(フリー)ソフトがこれまでなくて悩みの種でした。

 ということで、新しいソフトがないか久々に検索してみたところ、エーデルワイスというソフト(エクセル)がベクターに登録されておりました。昨年の12月にアップされていたようですから、ずいぶんと見逃していたことになります。早速ダウンロードして説明を読んだり、試しに使ってみたりしました。
 ざっと説明を読んだ限りでは、おそらく高校選手権でこれまでも使われてきたソフトではないかと思います。であれば全国大会でも使用されたことのある信頼のおけるソフトということになります。そして、悩みの種だった組み合わせも望んでいたタイプのものです! 開発された方、アップして頂いた方に本当に感謝します。
 ローカル大会用に多少は手直しが必要かと思いますが、これから大会でも試していきたいと思います。そして、このソフトは団体戦にも対応しているので、いつの日か旧キリン杯のようなスイス式の団体戦を開催できればなと思います。

http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se500525.html

支部対抗 対戦記

先週、支部対抗戦に行ってきましたので、簡単に振り返りたいと思います。

 今回は2回目の出場でもあり、応援にも何回か来ているので、雰囲気にのまれることもなく、気負わずに盤面に向かうことができました。1回戦目は東葛支部との対戦。同じ100人支部で昨年も1回戦で対戦し、0-3で負けておりました。少しでも善戦できればと思い対局に臨みました。団体戦の戦い方として同じ負けるにしても、チームの士気を避けないために、できるだけ敗戦を遅らせるというのがあります。今回もそのいうつもりで戦ったつもりが、自分だけ時間を使って最も早く秒を読まれてしまいました。そしておそらく最も早い投了かというぐらい速攻での負け。チームも0-3。

 ただ、城前さんのくじ運が強く3チームグループのため、2回戦目は不戦勝。ここで気分を入れ替えて、第3戦に臨むことができました。
 3回戦は同じ東北の鶴岡支部。メンバーを見れば、中学生選抜3位と元六県代表を揃えています。こんなチームに勝てませんよ。しかし、その鶴岡でさえ1回戦で浜松に負けています。どのチームも強いんだなと改めてがっくりきました。

 さあ勝負の3回戦、簡単に捻られると思っていたら意外にもいい勝負。こちらが終盤にさしかかるころ、城前さんが必敗の将棋をひっくり返しての逆転勝利。雄一郎君もまだまだ難解。もし自分か雄一郎が勝てばチームも勝てる状況になり俄然やる気ができました。そして迎えたのが、この局面。

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(先後反転)
後手が私で、先手からの早い攻めはないので、こちらの攻めを繋げれば勝てそうな局面。ただし、時計はすでの秒読み。ここで、手拍子で指した37歩が悪手。28角と打っていれば、攻めが続きました。同金は同桂成、同玉から詰み。49玉は46角成、同歩、28桂馬成りが鮮やかな一手。ここまで行けば私でも勝てそうです。ただ、28桂馬成は反省会の場で松倉さんに教わった手で、本番ではさせなかったように思います。
 この手を逃してからは自陣の飛車を虐めれる展開になり、腰砕けで敗れてしまいました。ところが、帰ってから棋譜解析にかけたところ、意外にも最後の最後にチャンスがありました。

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ここで同飛車と金を取り普通に同角成りとすれば、なんと28銀、同金、48金から詰みがありました。自分の実力ではノーチャンスですが、どんな将棋でもあきらめちゃいけないんだなと思いました。

 結局チームは1不戦勝2敗の成績で終わりました。成績自体は振るいませんでしたが、将棋は意外といい勝負になったりします。是非、三段以下の皆さんには来年の支部代表目指して頑張ってほしいと思います。

2006年 第2回文部科学大臣杯 県代表チーム

 繰り返しネタです。

 今日は、阿部光瑠四段の世紀の一戦が行われます。先週、工藤俊介君が加古川清流戦出場を決めております。中川慧悟君はGPSチャレンジで勝利をおさめた3人のうちの一人です。それぞれ注目を集めた3人がかつて同じチームを組んで出ていた大会があります。それが2006年の第2回文部科学大臣杯です。この3人に高校選手権団体二連覇の中川滉生君と、学生大会県代表を数多く経験している駒沢君がチームを組んで出場しておりました。
 何回見直してもすごいチームです。今から見るとなぜ優勝できなかったのか不思議なくらいです。
 あれから7年弱の月日が過ぎました。小中学生だった彼らも高校生・大学生そして棋士へと成長しております。ブログを続けてきてうれしいのは、彼らの成長の軌跡を傍で見れたこと。そして、これからどんな成長を見せてくれるのでしょうか。
 明日は、一人でも多くの阿部光瑠ファンが生まれるような熱戦を期待したいと思います。

81dojoのボイスチャット機能

 ちょっと前になりますが、81dojoでボイスチャット機能が追加されました。これは文字ではなく音声で感想戦ができるという革新的な機能です。。
 先日、高橋大和女流三段がその機能を使って10級以下を対象とした公開講座を行っておりました。ちょっとだけ視聴しましたが、大変わかりやすかったように思います。
 昨年、将棋倶楽部24を介して東北ジュニア団体戦が行われました。大会自体はトラブルはあったもののおおむね成功だったと思います。ただ、チャットでの感想戦に難があったように思います。その問題をボイスチャット機能が解決してくれるのではないでしょうか。これを用いれば上記の大会のみならず、友達同士での対局や指導対局などいろいろな場面で使えそうです。
 具体的な使い方は学ぶ必要あるかと思いますが、興味のある方は試してみてください。

81dojo

ニコ生のタイムシフト視聴

 日曜日のGPSチャンレジをタイムシフトでちょっとだけ観ました。長時間の中から主に細川さんと清水上さんの将棋を観ようと思ったのですが、7時間の中から見つけるだけでも大変でした。また、有名じゃない人も結構出ていて、全ての時間帯が楽しめるというわけではなかったと思います。
 スポーツでも2時間ずっと見るのは大変ですが、スポーツニュースのようにダイジェストでポイントだけ見ることができれば便利だなと思います。ただ、その編集作業が大変なんでしょうが。将棋連盟でニコ生を編集してサイトに映像をアップすることができないのでしょうか。有料でいいのでやってほしいです。

 その点、A級順位戦はEテレで放送されるようですので、録画して見たいと思います。

Eテレ 3月24日(日) 午前10:05~11:45

ニコニコ生放送と将棋

 今日、読売新聞「今や、将棋はニコ生名物」という記事がありました。ご存知の通り、最近ニコニコ生放送で将棋関連の番組が増えており、私も将棋関連の番組を見るためだけにプレミアムに入っています。これがまた面白くて、普段テレビを見ない私でも一度見始めると、なかなか離れることができないぐらい引き込まれます。やはり、映像の影響力の強さとニコ生がもつ双方向性による部分も大きいのかなと思います。

 2月中旬にあったプロ棋士による人狼では、プロ棋士のゲーム巧者ぶりに驚かされただけでなく、佐藤慎一四段の主役であるはずが見事なまでの空気っぷりや、瀬川さんのいい人キャラ、村中六段の巧みな話術、中田七段の勝負師ぷり、千葉六段の「小市民」、片上六段の「天然狂人」などこれまで知ることができなかった棋士の一面を見ることができて、本当に楽しい時間でした。放送後のアンケートでは95%以上が満足という異例の結果がでておりました。

 3月初旬に行われたA級順位戦では棋士の来館風景に始まり、対局中の様子や対局後のインタビューなど臨場感を味わいつつ楽しむことができました。もちろん、郷田棋王の逆転劇や深浦九段の敗戦ながら残留など対局自体もドラマ性もあり、いたく感激しました。また、テレビのほうに有名どころがもっていかれたはずの解説陣も意外と役者がそろっていて、ボケ役の先輩棋士3名にたいし、長岡四段がタブレットを片手に論理的にわかりやすく解説してたいのが今回の最大のヒットでした。
 テレビでスカパーを流しながら、パソコンでニコ生を見ておりましたが、ニコ生のほうが面白く感じました。

 また、A級順位戦の翌日に行われたGPSチャレンジ②では解説役の大平五段が瞬時に盤面を判断し的確でわかりやすい解説を弁舌滑らかにしていたのには驚きました。プロ棋士の能力の一端を垣間見た気がします。恐らくプロ棋士はこれまで出演した方以外も個性豊かな人が多いと思うのでどんどんメディアに露出してほしいと思います。

 ニコ生ではこれまでプロ棋士が中心でしたが、GPSチャレンジではアマ強豪勢揃いといった感じで、トップアマにも日の目が当たって、多くの人に知られることは素晴らしいことだなと思いました。3日の放送は大会のため見ることができませんでしたが、番組に清水上さんが登場した際は大盛り上がりだったようです。

 これからもぜひニコ生で将棋を盛り上げていってほしいと思います。できれば、16日の朝日アマをはじめとするアマの全国大会や、プロ棋戦ではA級以外の順位戦、他タイトルの挑戦者リーグなども生放送でやってほしいです。今日の順位戦C2でもニコ生であれば、それなりの視聴者を獲得できたはずです。

二コニコ生生放送 3月の将棋放送予定

3/01 A級順位戦
3/02 GPSチャレンジ②
3/03 GPSチャレンジ③
3/06 王将戦 第5局 一日目
3/07 王将戦 第5局 二日目
3/09 GPSチャレンジ④   
3/10 GPSチャレンジ⑤
3/10 棋王戦 第3局
3/13 戸辺誠 出版前特別生解説
3/23 電王戦①
3/24 棋王戦 第4局
3/30 電王戦②

3月は特に盛りだくさんの内容になっております。面白いこと間違いなしですので、ほどほどに楽しんでください。

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