JTこども将棋大会を振り返って
先日のJT東北こども将棋大会には400人以上の参加がありました。他の地区大会でも軒並み参加者数を伸ばしています。これだけの参加者が集まり素晴らしいなと思う半面、普通に考えてみると、参加者が増えたからといって、いきなり上級者の参加者が増えるとは考えにくく、将棋を少しかじった程度の初級者に近いレベルの参加者が増えたものと思われます。この大会の特異な点はそういう小学生初級者でも参加したいと思えるような大会であることでしょう。
振り返ってみますと小学生の初級者を対象とした大会(クラス)はあまり行われていないように思います。小学生名人戦や倉敷王将戦の予選で初級者クラスが設けられている程度でしょうか。しかしながら、普及を考えれば小学生の初級者は最重要ターゲットであり、この部分に力を集中していく必要があるかと思います。
これまでも大会に級位者クラスや小学生クラスなどはありましたが、クラス分けがなされていないと、初級者にとっては有段者や上級者と戦うこともあるため、ハードルが高く参加意欲が沸くものではなかったと思います。
今回のJTこども将棋大会のように、本戦は確かに厳しくとも、それ以外の自由対局やリレー対局で初級者でも楽しめるとか、初級者にもやさしいクラス分けがなされた大会など、参加したいと思えるような大会を開くことが大事ではないかと思います。
ここで、小学生初級者を対象とした理想的な大会を考えてみたいと思います。もちろん、JT大会のような大掛かりなものではなく、一地方でも開催できるような規模です。
まずは、少しでも気軽に参加いただくために、参加費は無料、多くとも500円としたいところです。予算をどこからもってくるかが頭の痛いところですが、組織の予算をそこに重点的に割り当てるとか、スポンサーを獲得するなどして対応するしかないと思います。
クラス分けは初級者に参加しやすいようにと考えると、7級以下を設けたいところです。それに合わせて、上のクラスを設定します。初級者クラスに関しては、それほど長時間集中力が続かないと思うので、昼食時間を挟まないようにして、トータルで3時間程度で終えるのがいいのではないかと思います。
競技方法は通常の予選リーグ+決勝トーナメント方式やスイス式やリーグ戦方式など、どんな方法でもいいと思います。逆に本戦以外の部分を充実させることが大事ではないかと思います。
そして、多くの参加者に決して豪華ではなくとも賞や賞品が当たるようにすればいいのではないかと思います。まとめると以下のような大会になります。
・参加費 無料(昼食なし)
・時 間 9時~12時 もしくは 13時~16時 (3時間以内)
・クラス 2級以上、3級~6級、7級以下
・対局数 5局程度
・本戦以外 敗者戦、自由対局、指導対局、ミニ将棋教室、リレー将棋etc
・賞 賞品、級位認定、賞状の贈呈etc
手前味噌になりますが、八戸で開催しているNHKこども将棋大会はほぼ上記の内容を満たしており理想的な大会の一つだと思います。他では、柏市小学生将棋大会も素晴らしい大会だと思います。
ただ、初級者クラスを開催した時に注意しないといけない点は、一つ一つの対局がきちんと終わるかをチェックすることが必要になります。初級者同士の対局では二歩や王手放置など、想定外の状況が頻発します。その状況に素早く対応できないと、あらぬ混乱を招く事態が往々にして発生してしまいます。大会をがスムーズに進めるためには、スタッフを配置してきちんと面倒を見る必要があるかと思います。
このような大会を開いたからといってすぐに結果は出ないかもしれません。JTこども将棋大会もここまで来るのに10年かかっています。そもそも将棋をやる子がいない地域で開催しても全く集まらないかもしれません。いろいろ課題はあるかと思いますが、全国各地で、JTこども将棋大会のように、小学生が多数参加する大会が開かれてほしいなと思います。
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まず、環境として
○将棋の駒、盤をどこで買えばいいのか。
おもちゃ屋でなかなか見かけない。高い。
ダイソーで4,5年前は駒、盤も105円で売っていた。
今は99%ない。関東、関西、中国でもまずない。
加古川将棋倶楽部のあるビルのダイソーで駒を見つけた。盤はなかった。
昔は子供のこずかいで買えたと思う。
105円の駒と布盤が必要条件。
○無料で指せる場所がなくなっている。
公園の縁台将棋はたまにある。
公民館に駒盤があるか。
老人福祉センターでは年配者がやっているが、子供は100円かかる。
日本将棋連盟のごく一部の支部では週1回無料で子供対局をさせている
ところもあるが、これは非常にめずらしい。
大会はたぶん、将棋をさせるところがないから大会に集まってくると思う。
親がネットで調べる。
支部で無料の公民館を使って週1回ぐらいさせる場所を提供すればいい。
もちろん無料。
当然経費はかかるが、それは連盟が支部会費からバックすればいい。
青森県では20弱の支部があるから1支部で10人なら全体で200人になる。
まずは地道な日頃の活動から。
大会はそれからでしょう。
人数が増えればレベルもアップする。
大学王座戦も部員数が多いとこほど上位になる傾向にある。
無料について
棋友館の館長はJT杯などの大会で人数が多いのは無料だからという見解か。
一宮市の無料子供教室は100人ぐらいの規模だが、
子供200円の愛岐会(毎月2回)の大会には参加数は少ないようだ。
投稿: 清水 | 2011.12.16 11:04
初心者向けの大会を開くことより先にやることがあるのは、全くその通りですね。そのことはわかっているつもりですが、今回はあえて触れませんでした。道具を揃えること、どこで指すのか、学校と将棋の関係、そもそも誰が初めに子供に将棋を教えるのか。その部分はあまりにも問題の根が深くて、「地道な普及活動を各自が行っていく」ということ以外に、有効な方法がわかりません。
今回は、まず大会運営サイドが出来る普及の一助として、JTこども大会のように初級者が参加したくなる大会を開催することも有効な方法ではないかと思って書いた次第です。
これまでの経験からも初級者のクラスで参加費無料は大きなポイントだと思います。
投稿: nori | 2011.12.17 09:49