平成22年2月7日(日) 大館公民館
参加者83名
衆王位挑戦者決定戦 (高段者戦) 24名
優勝 山岸亮平四段(八戸市 小6)
二位 中川滉生四段(八戸市 中3)
三位 佐々木潤一五段(青森市)
三位 櫻井飛嘉四段(青森市 中2)
衆王戦
田村純也衆王 ● - ○ 山岸亮平 = 山岸君が衆王位初獲得
三段以下戦 20名
優勝 川井郁弥二段(青森市 小6) = 三段位獲得
二位 山本伊知郎二段(青森市 中2)
三位 杉澤邦広三段(八戸市)
三位 工藤雄一郎二段(八戸市 中2)
初段位獲得戦 39名
優勝 工藤麟太郎(青森市 小1) =初段位獲得
二位 出町元大(おいらせ町 小5)
三位 山道嘉宏(八戸市 中2)
三位 小山千代之介(弘前市 小6)


まずは、初段位獲得戦に39名という参加には驚きました。深浦王位効果もあると思いますが、これだけの参加人数は記憶にありません。数年前は10名ちょっとという時代もあっただけに、感慨深いものがあります。これも地道な将棋教室や各将棋大会での改善の成果だと思います。
その激戦の初段位獲得戦を制したのは工藤麟太郎君。工藤君の初段位獲得は伊東恒紀君の1年生で2月湊場所での獲得に次ぐスピードです。今大会の初段位獲得戦は40名弱の参加者で、一昔前と様相は様変わりです。この人数では優勝まで予選で2勝と決勝トーナメントで最低4連勝が必要です。小学生低学年でこの長丁場を集中力を切らさずに乗り切ることは大変だと聞きました。確かに初段位獲得戦は通過点でしかないのかもしれませんが、一つのハードルをしっかりとクリアしたことだけは確かです。この先彼がどのような成長曲線を描いていくのか楽しみにしたいと思います。



三段以下戦では、三段陣の壁を突き破って、学生二段勢による決勝となりました。名前を見れば、三段獲得も時間の問題と頷る二人です。同門対決となった決勝は川井君が制し、先場所の彩楓さんに続いて、兄妹で連続昇段となりました。川井君も来年度は中学生で、ハイレベルな中学生大会に三段として参加することになります。
早速11日の中学生選抜県予選にも参加となると、大人も真っ青なハイレベルな戦いとなりそうです。もちろん、今回衆王位を獲得した山岸君も参加するでしょう。参加者の名前を見るだけでため息がでそうな戦いになるのは間違いありません。



高段者戦では、並みいる強豪を撥ね退けて山岸君が優勝しました。大盤解説いただいた深浦王位は、小学生とは思えない老獪と言えば語弊がありますがしっかりとした慌てない指し手にほとほと感心しておりました。決して受け気質というわけではなく、攻めていながら一呼吸間をおく感覚とか、玉を安全地帯へ手順にもっていく差し回しなど、攻守にバランスのよい将棋には解説を聞いていた大人も感心しておりました。


衆王戦は先手山岸対後手田村で相矢倉となり、田村さんが序盤で古い定跡形(と聞きました)に誘導しまたが、山岸君が的確に対応し終始優位に進めました。最後もしっかりとまとめ山岸君会心の将棋となりました。という風に普段であれば誰も気づかず何事もなく終わっていたと思います。ただ、今回は深浦王位に同時解説いただきました。山岸君が決めに行ったところで、際どくかわす絶妙手が指摘されました。その手が指されていれば逆転もありえるほどで、優勢の将棋も逆転の筋はどこかに潜んでいるのだなとプロ棋士のすごさを実感しました。この手を見れただけでも、予選落ちしたことも忘れ、満足して家路につくことができました。
とういことで、山岸君が見事衆王位を奪取し、手に余るほどの賞品と北奥羽名人戦挑戦者決定トーナメントの出場権を獲得しました。


最後になりますが、深浦王位には10時の開会式から衆王戦の終わりの6時過ぎまでお付き合いいただきました。数多くの指導対局と大盤解説4局と参加者の皆さんも満足していただけたのではないでしょうか。
深浦王位には、対局が終わるや否やの出張、寒い八戸での一日とということで、大変な面もあったと思いますが、いつもながらの親切な指導をいただきありがとうございました。
ちなみに、本日の開会式の中でビックニュースの発表がありました。6月の八戸将棋祭りに渡辺竜王がお越しになります! こちらも楽しみにしていただきたいと思います。

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