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三段位獲得戦

 決勝戦の中盤戦が始まってまもなく、あまりに意外な展開に再度読み直してみるが、どう考えても相手が必死になってしまう。こんなにもあっさりと勝っていいものかと思いつつ、必死をかけた。相手は余りある時間を使い懸命に考えたが、必死を受ける術もなく投了となった。あまりにもあっけない幕切れに、戸惑いとこれで三段位戦を戦わなくてもいいという安堵感を感じた。

 私の三段位への挑戦は初段をとってから3年あまりの間だった。それは、私より若い世代の踏み台という側面もあり、辛いものでもあった。
 滝田亮・岩泉毅・中川慧梧・工藤元・外山潔・成田憲俊・落久保政伸・松原寛隆・中川滉生。
今にしてみれば、獲るべくして獲ったとも言えるが、数日前まで棋力が同程度の少年たちに壁となって立ちはだかることもできず、追い抜かれることに無力感だけが増していった。もちろん、同じ土俵で戦った彼らが現在県代表クラスと互角に戦っていることを我が事のようにうれしく思うし、またそれ以上の可能性を秘めていることに大きな期待もしている。
 30才近くになって大会に出始めた私にとって三段位獲得は小さな通過点ではなく、大きなゴールだった。初めの大きなチャンスは平成14年5月の大会で決勝に進んだ時だったが、敢え無く敗退した。そこで自信を深めた私にとって、三段位は目の前にあるかのように思えた。しかし、それから多くの大会でいいところまではいくが、敗退してしまうという繰り返しだった。それと共にこの年代にとっての戦いは限られた時間との勝負でもあった。棋力向上にあてる時間は年々少なくなり、棋力が低下しているのはないかという不安と、どうせ出場しても取れないだろうという諦めからモチベーションを下げてしまう悪循環に陥ってしまった。また、今年に入ってから、この「おまけ」を更新していくことにもなり、その中で、取材をすることに楽しさを感じるようにもなった。大会に行って取材だけをするというのは、敗退して悔しい思いをしなくても済むだけに、ますます大会参加への足を鈍らせることにもなった。
 そんな私にとって、今回の大館場所が意外にも今年3回目に出場した大会だった。とりあえず、参加してみようという程度の気持ちで、開会式が始まるころに感じていた程よい緊張感もこの頃は感じなくなっていた。
 予選の緒戦は普段の力を出せば負けない相手だった。中盤優勢になり、一気に行くべきところを躊躇し、攻守が逆転しまった。そこから、信じられないような悪手の連続で、まさかの逆転負け。落ちるところまで落ちてしまったなという思いだった。気を取り直して予選2戦目を戦った。そこで、序盤早々相手が王手に気づかず、王手放置負けとなった。余裕があれば「王手ですよ」と教えたかもしれないが、目先の一勝に飢えていた私は黙って王様を取った。ルール上何も問題がないと思うが申し訳ない気持ちもあった。しかし、その一戦が転機となったのかなんとか予選を通過することができた。予選は通過したが体調的に頭が冴えず読みが甘い状態で、中川滉生君に「今日はどうも冴えないみたいだ」と愚痴ったところ、「いつもの事でしょ」と慰められた。
 トーナメントの抽選でいつものように「シードを引きたいなあ」などと話していると、池田先生に「1回戦から勝ちあがって勢いをつけるということも考えられるだろう」とたしなめられた。いつもシードを引いてぬか喜びをしていただけに、今回はどちらでもいいように心の準備だけはしてトランプを引いた。結果はシードだったが努めて平常心でいるようにした。
 決勝トーナメントでも内容的には褒められるものではなかったが、2勝で決勝まで進むことができた。反対の山からは当然豊川君が勝ちあがってくると思っていたが、思わぬところで敗退していた。決勝ではいつも負けなれているだけに、さして気持ちが高ぶることもなく淡々と試合に臨むことができた。内容は初めに記した通りだが、全体を振り返っても緒戦に敗れて以降は淡々と勝ち上がり、決勝も山場が来る前にあっさりと終わってしまった。自分で言うのもなんだが、盛り上がりに欠ける三段位戦だった。私にとっては運が良かったとしか言いようがない。
 これまで、三段位獲得戦に参加して印象に残っている大会は昨年の金浜王将戦だ。このクラスではそれなりの自信があったが、そこでの成績は2勝3敗という不甲斐ないものだった。青森方面の層の厚さを痛感した大会だった。
そして、今年も熱戦が繰り広げられるであろう6月の東奥日報での3段位獲得戦は最もレベルの高い大会だと思うし、ここで獲得した3段位は最も価値があると思う。選手として出場しなくても良くなった分、誰が優勝するのか今から楽しみだ。

 最後に、優勝のお祝いということでバイキングに誘われはしたが、彼らの読み筋どおり、私と飯田さんでおごる羽目となった。負けてもただでは起き上がらないやつらである。今回ただ飯にありついた負け犬君たち3名にはこれまで以上の活躍を期待したい。

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